研究プロジェクト名

健康/運動/生活データの統合・解析・シミュレーションによる健康増進システムの開発

プロジェクト参画機関

1)神戸大学(システム情報学研究科,経営学研究科)

2)(株)アシックス

3)兵庫県立工業技術センター

4)(有)未来教育設計

 

​プロジェクトの目的

 

超高齢社会においては、日常生活、スポーツなどの余暇時間、労働・作業時における事故・危険を未然に防ぐことや高齢者の身体能力を維持することは、医療費や介護費の社会的な削減のために不可欠である。また、超高齢社会に備えるためには、経済基盤である産業力維持と、社会保障コスト上昇防止の問題を同時に解決する必要がある。ここで産業力維持のためには、永く働けるように労働者の適切な健康経営が必要である。また社会保障コストの低減のためには、経済活動から引退した後も健康的な生活の維持が必要である。

そこで、各個人の健康診断データ・体力測定データ・日常生活情報データを起点とする健康増進システムを開発することで、健康経営による産業力維持、自身の気づきからスポーツや運動への意欲形成を促進することによる健康増進に伴う各個人のQOL向上などの実現を目的とする。

 

実施内容(1)

 

本研究プロジェクトで研究開発を行う健康増進システムの概略構成を以下の図1に示す。

 

この図にあるように、本システムでは、まず通常の定期検診から得られる健康診断データと、我々が既に今までに開発を進め新規技術としてある程度の蓄積がある体力診断システム(図2)からの取得データについて、個人ごとに整理された健康管理データベースを構築する。なおこの体力診断システムは、Kinectを使った歩行姿勢の推定機能など新しい技術を導入しており、現段階で「ココロ」、「カラダ」、「歩行」に関する7種類の測定・診断機能を持つものであり、今後もこの機能拡張を継続的に進めるとともに、計測対象のユーザ数を増やし、体力診断データの整備を進めて行く。

 

実施内容(2)

 

次に、生活空間上に、我々の技術シーズとして蓄積し開発を進めてきた小型のワイヤレスIMUセンサや、新たに研究開発を進めているスマートシューズ、さらに既存のスマートデバイスなども活用し、IoT環境を活用して生活者にストレスを感じさせない形でのデータ収集や、健康増進ソリューションを提供するために必要となる分析技術の研究開発を進めていく。その中で、これらの健康管理・生活習慣データなどの個人データについて、統計解析や深層学習などのデータ解析やCPHS(Cyber Physical Humane System)による将来の健康状態予測シミュレーションを実行し健康年齢を算出するとともに、これらの解析結果をベースに、個人ごとにカスタマイズされた形態で、健康増進のための運動介入を実施し、その効果について評価を行いながら、予防の観点で健康増進を総合的にサポートし、理想的な健康生活サイクルの構築を目指す(図3)。

 

​実施内容(3)

 

この工学的シーズに基づく技術を、本プロジェクトでは、利用者を起点とする経営的視点からも検討を行い、例えば、会社の従業員を対象とし健康に働き続けることによる産業競争力の強化や健康保険の赤字削減に寄与する健康経営システムや、一般のユーザも対象として捉え、利用者の健康意識を向上させ、健康寿命を延伸させる健康増進教育プログラムについて、マネタイズにも考慮しながら持続可能性のあるビジネス展開などへの検討も進めて行く。